心も体もたくましい人間性を育む

私の生まれ育った町

若潮学校があるバタンという町は、かつてインドネシアではあまり知られていませんでした。私が住んでいる村はさらに奥深い場所にあります。村の人々は、農業や大工、石を砕く仕事が主で、若者たちは高校を卒業するとジャカルタや大都市へ就職します。経済的な理由で中学校までしか通わせられない家庭が多く、卒業後は親の仕事を手伝う子どもが多いのが現状です。

貧しい家庭での生い立ち

私は貧しい家庭に生まれました。父は建設労働者として懸命に働き、私を水産高校に通わせ、卒業まで支えてくれました。妹が2人、弟が1人いて、両親は私たちの学費を工面するのに非常に苦労していました。その姿を見て育った私は、どうにかして両親を助けたいと毎日考えていました。

日本でのチャンスと成長

ある日、日本に行けるチャンスである「研修生制度」を知り、すぐに調べて行動し、

応募しました。日本での生活は大変でしたが、そのおかげで人生が大きく変わりました。

給料を節約して親に仕送りをすることで、弟妹たちの学費を助けることができました。
3年間の努力の末、貯金をして両親に小さな家を買ってあげることができました。

貧しかった私でも、志を持って努力すれば夢が叶うことを実感できた瞬間でした。

若潮学校設立の思い

この体験と、親への感謝、努力すれば夢が叶うということ、そして日本が優しく素晴らしい国であることをインドネシアの若者たちに伝えたいという思いで、若潮学校を設立しました。知識も少なく、学校も小さなものでしたが、仲間に支えられ、今の若潮学校があります。皆さんの支えに感謝しつつ、これからも学校をさらに大きくしていきます。